Oct.2019
飛行機限定のWebARコンテンツで、沖縄文化をもっと身近に!
沖縄で生まれた航空会社、日本トランスオーシャン航空。沖縄の魅力を発信するJTAの新しい試みとして、機内で沖縄文化に触れることのできるWebARコンテンツを開発しました。
旅行地として人気の高い沖縄。きれいな海や知名度の高い観光地だけでなく、まだ見たことのない沖縄の魅力=「沖縄の宝」にARで触れることで、沖縄への新たな興味をかきたて、充実した旅行体験を提供します。
Spineを使用し、ストレスなく気軽に楽しめる体験を提供
JTA機で使用できる機内WiFiを活用し、アプリをダウンロードすることなくWebブラウザでARを楽しむことができます。
専用バナーからブラウザを立ち上げ、シートポケットの専用リーフレットにスマホをかざすと、ARの案内役である「キジムナー」と「オサカナ」が飛び出しストーリーが展開します。
デバイスのカメラ起動、映像の認識、認識したマーカーとオブジェクトの紐づけはAR.jsで行い、Three.jsで表示するオブジェクトのベースを生成。それに対して「Spine」という2Dアニメーションを作成するためのツールで作られたエクスポートデータを読み込ませてアニメーションを再生しています。
Spineには、エクスポートデータをブラウザやゲームエンジンなどで実行するための「Spineランタイム」というライブラリが用意されており、今回のプロジェクトではこの「Spineランタイム」を使用し、ブラウザ上でのアニメーションの実行を実現しています。
知らなかった沖縄が垣間見えるストーリー
親しみやすいキャラクターとイラストは、沖縄で“表現者“として活躍している「Shu Ashimine」さんの書き起こしです。キジムナーは、沖縄で古くから親しまれている木の精。いたずらっ子な「キジムナー」と、いたずらを仕掛けられてはとんちをきかせて上手く仕返しをする「オサカナ」のやりとりの中で、沖縄の文化をコミカルに伝えるストーリーを作成しました。
ストーリーのテーマには、長い舟を漕ぎ手が一丸となって漕ぎ、速さを競う「ハーリー」や、真っ赤な花と強い根っこが特徴の「デイゴ」など、聞いたことはあるものの、実はよく知らない沖縄の文化をピックアップ。沖縄についてから実際に見たり、食べてみたくなる好奇心をくすぐります。
ARマーカーは専用リーフレットのほか、エンターテインメントガイド、機内誌、キャビンアテンダントが持っている特製カードに配置されており、タイトルのように「宝探し」気分を味わうことができます。
機内での体験をデザイン
SONICJAMでは、メインのARはもちろん、リーフレットやカードなどの紙媒体の制作も行いました。リーフレットは、他の機内誌に混じらないようにシートポケットで目立ちつつも、広げて手に取りやすいサイズに。ARは、どの角度で表示させればスマホを持つ手が疲れないかなど、検証を重ねて細かな調整を行いました。
<技術情報>
ARライブラリとしてAR.jsを使用。使用言語はJavaScript。3Dでモデリングしたキャラクターを2D化し、Spineアニメーションとして出力。開発ツールはUnity。開発規模は約6人月。
イベントや店舗での活用:来場・来店客にその場でマーカーにスマホをかざしてもらい、コンテンツの表示とクーポンを配布。
キャンペーンでの活用:商品パッケージにマーカーを印刷し、購入者にアニメーションコンテンツの表示と当選くじキャンペーンを実施。
Credits