UXD事業部の岡崎です。
SONICJAMでは、Webサイト制作においてユーザーシナリオデザインというユーザー体験の価値を構築するアプローチを行っています。
これまで私たちは様々なクライアントにUX(ユーザーエクスペリエンス)ベースの設計を提供してきました。その中でも体験価値ベースでのWEBサイト設計とはどのようなものか、ユーザーシナリオデザインとはどのようなものかをお伝えできればと思います。
体験価値自体はユーザーのものだが、それだけで設計するわけではない
体験価値ベースと言ってしまうと、ユーザーの感じる価値だけを考えて設計するように聞こえてしまうかもしれません。利用者が気持ちのよい体験をすることはとても重要だからです。ただ、そこだけを見てももビジネスとマッチしないのは言うまでもないと思います。
当然そこには、ビジネス課題(現状と、理想的な状態のギャップ)が存在し、そのビジネス課題を解決することを合わせて考えることが必要になります。
体験価値ベースというのは、そういったビジネス課題を融合させながらも。ユーザーの自然な体験に乗せるということが前提となっています。
そもそも、価値とはなにか
価値というのは、自身で作る努力をする必要があるものであり、人やサービスや、ブランドの中に内包されているものではありますが、他者からしか決めることはできないものです。
初めて会う人に「私は信用できることが価値です」といわれたとします。その人を本当に信用できるでしょうか?それは商品やブランド、サービスも一緒で、価値があることの証明を何らかの形でやることが必要になるわけです。
つまり、価値を決めたり、伝えたりするためには、その価値を評価する価値観を持つ人の集合体をどのように分類するのかが非常に重要になってきます。
弊社ではその部分をUXリサーチの工程に取り入れています。サービスであれば、利用する人、運用する人、その業界の人など(要は3C領域)を調べる必要があります。それらの人はどのようにそのサービスを見ていて、どのような価値観(評価基準)を持って関わっているのでしょうか?
それには価値観の分類が必要になってくるわけですが、これにはKJ法・KA法などの分類方法を用いて整理します。価値観を持つ人の根源的な欲求を整理・洞察していくことで樹形図状のものが出来上がります。
これにはより上位の価値観を見つけるという側面もありますが、実はグルーピングされたすべての価値観に意味があります。ただ、今回はその部分は本題ではないので割愛させていただきます。
それでは体験価値とは?
ユーザーにとって、少なからず(本人の自覚症状があるかどうかは別として)価値があると感じたものの連なりが体験価値です。
そして、ユーザーがサービスやブランドを通じて体験に価値を感じるというのは、その人の価値観に適合していることが体験を通じて得られることで、それらを満たすように機能(機能価値)が設計されているということです。
従来の進め方:機能ベースの設計
どれだけ世間でUXというようになっても、実際には従来通りの制作方法が頭に残っていると機能ベースの設計になってしまします。
ある程度ターゲットも明確にはしているとは思いますが、ディレクトリ構造を先に考えたりして、カテゴリ単位でものごとを見ようとすること自体が機能ベースの設計になってしまっている状態といえます。必要な機能をまとめて整理することからスタートするため、情報を整理しやすく、設計側であれば誰もが考えやすい構造です。
結果、ユーザーが自ら見たい・知りたいという好意的な状態で来訪し、自分で探すということを前提とした設計になってしまいがちです。それは、構造から考えているため当たり前で、使ってみたら案外めんどくさかったり、必要な情報を調べるのに苦労しやすい状態になることは必然です。
体験価値ベースの設計とは
一方、体験価値ベースの主眼は「誰が(どんな価値観で)何をするか」です。
体験には時間軸と行動プロセスがありますが、その1つ1つの行動を選択する理由が価値観によって判断されています。だからこそ、ペルソナを用いて状態を描くこと(カスタマージャーニーマップ)を描くわけです。
冒頭、弊社でユーザーシナリオデザインと言っているものはこのカスタマージャーニーマップ(tobe)に更にビジネス課題を盛り込んで、ビジネス課題とユーザー課題を両立させた設計に落としたものを指しています。
このシナリオは、マーケティングファネル化して見てKPIを定めたり、戦略化させるポイントを明確にしたり、改善するためにも重要な土台となります。
Webサイト制作だけではない設計プロセス
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