科学的な政治、科学的な経営(コロナ後の世界 / 内田 樹)

> コロナ後の世界 / 内田 樹

これまで、コロナ禍における政府の対応などを見ていてずっと釈然としないモヤモヤ感があったのが、これを読んでとてもすっきりしました。

新型コロナのような未知の脅威であり地球規模の課題に対しては、科学的な態度・・・つまり仮説をたて、実施して、結果を評価し、また次の仮説をたてる、を繰り返して少しずつ進んでいくしかないと思います。しかしこういう科学的な姿勢と、政治というものはとても相性が悪いというか、そもそもこういう規模の問題に政党政治という形式自体適さないと思うし、特に「自分の言ったことを評価されたくない」政治家と「政治家の言ったことを批判・責任を追求する」マスコミという図式がまったく仮説から入るアプローチに適さない・・・。ので、これまでの首相の記者会見のようにマスコミは「○○について責任は?」政治家は「全力でしっかりやります」みたいなトンチンカンなやりとりが生まれるのではないか。例えば学者の仮説が結果的に間違っていたとしても、評価して次へ進めばいいわけで、決して間違っていたことに対して謝罪や辞任を求めてはならないと思う。

大震災のときの原発事故や、新型コロナ対策や、気候変動など、従来の政治では解決できない問題が今後どんどん増えていくだろう世界で、今のままのやり方では大変な不安を覚えます。

そして会社経営もそうあるべきだと、ふと自分を振り返ってみたりもしています。


※写真に特に内容との関連はありません