Are you ready to be a techno-optimist again? / MIT Technology Review
MIT Technology Reviewの新刊は、毎年恒例の「10 BREAKTHROUGH TECHNOLOGY 2021」だ。つまり「今年はこの技術が来るゾ!」という、革新的技術を紹介する号で、毎年楽しみにしている。
しかし、今年はこれまでとは紙面の雰囲気が全然違う。タイトルは「THE PROGRESS ISSUE」だ。そもそも、進歩とは何か?と問うところから始まる。パンデミック、気候変動、人々の分断といった大きな課題に世界が直面する中で、技術スゲー!世界が変わるぜ!と人をその気にさせるのはちょっと無理だろう。すごい革新的な技術が人々を豊かにする、というのはもはや幻想だとだいぶ前からみんなうすうす気づいていたものの、ついに認めざるを得なくなったのだ。なんとなく頭のいい(お金を稼ぐのがうまい)人たちがひた隠しにしてきたことが、もう隠せなくなってきたのだろう。
パンデミックに怯え、バーチャルな世界に閉じこもり、味気ない代理ミートを食べながら、AIが選んだものしか選べない、そんな未来が進歩の果てだとしたら、進歩とはいったい何なのだろう?
※写真は家の近所で撮った今年の桜