深セン視察日記 (1) 盒馬鮮生 (フーマフレッシュ) はまるでテーマパーク!

2019年3月1日〜3日、中国の深センに視察ツアーに行ってきました。スケジュール的には結構弾丸で、あまりじっくり見れなかったところもありましたが・・・これまで一度も深センに行ったことがなく(上海とかは何度も行ってますが)、ずっと行きたいと思っていたのでまずはよかったです。

一緒に行ったのは、名古屋で経営コンサルをしているKさん、体調の悪い(ずっとホテルで寝てた)Fさん、中国留学経験のある畳屋のAさん、私と一緒にTechガチャ研究所でガチャガチャの開発をしているHさん、そしてSONICJAMの新規事業部長のM。愉快なおじさん6人組でした。

主に「キャッシュレス経済の今」をテーマにいろいろと見て回ったのですが、一番印象に残ったのは、盒馬鮮生 (フーマフレッシュ)。アリババが手がける次世代のスーパーです。入り口の写真をごらんいただいてわかるように、楽しさというかテーマパーク感を打ち出しています。デザインは全体的にポップでかわいい。

お店の特徴の一つは海鮮コーナー。生簀の中に大量のカニや貝や魚などがうじゃうじゃ、それを自分で網ですくって買う、これが見るからに楽しそうで、実際大人気。あとかなりのスペースが飲食スペースになっていて、バイキング形式でおいしそうな料理がならんでいます。食べなかったけど、味のクオリティは高そうだったな。

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会計ははAlipayのみ対応のセルフレジ。やはりアリババの経営ですから・・・。商品バーコードをひとつずつ読み取り機でスキャンし、最後にスマホ決済のバーコードをスキャンします。まだ現地の人もみんな慣れている・・・という感じではなく、意外ととまどってましたよ。まずこのキャッシュレスが基本。レジの機材や人員がいらないことでかなりのコストダウン・・・になるんでしょうか。しかし実は現金も対応しなければならないようで隅っこの方に現金対応レジがありました。

そして、ふと天井を見上げるとこれが・・・

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スタッフが商品を入れる宅配の袋が、店内の天井に設置されたレールを運ばれていきます。思わず中国人も写真を撮ってました。ネットで注文すると3km以内なら30分で届く、配送料は無料、返品OKらしい。お店が近いというのは、もちろん配送の都合もあると思いますが、自分でお店にいつでも来れる安心感がいいんじゃないでしょうか。一番の狙いはこの宅配ECのようです。たしかにうまくいけば3km圏内のすべての競合の顧客を奪えちゃうかも・・・。値段と品質も良いようですので、ここの一人勝ち、もありうるのか。

とにかく全体的に活気があって、楽しい。特に最近効率やコストを追求しすぎて結果的に「ものを買う」体験がものすごくつまらなくなっているケースがあるなあと思っていたので、ひさびさに感動した。しかし、これだけの店舗をつくるには相当お金もかかるのではないだろうか・・・結果儲かっているのかしらん。でもやっぱり、キャッシュレスがすごいとか良いとかではなくて、それはあくまで裏方の話で、それによってアナログな体験がどれだけアップデートできるかが重要なんだろうな。

このように、アリババのようなネット企業がオンライン(EC)とオフライン(実体店)の融合に力をいれていたり、またシャオミのようにスマホメーカーから家電や日用品まで扱うメーカー(目標は無印良品とのこと)になって成功しているというのを見ると、やっぱりデジタルとアナログが高いレベルで融合するチャレンジがいいなあ、と思う。結局、アナログな生活のほうがはるかに市場規模が大きいのだし。